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技術のアーカイブ

中田ゼミの皆様へ:必読資料「技術とは、なぜ、磨かれなければならないのか。」

中田ゼミの皆様へ:必読資料「技術とは、なぜ、磨かれなければならないのか。」

2015年度後期が始まるにあたり、中田ゼミの皆さんには本記事を入念に読んでいただき、後期の制作活動に備えてください。
「ほぼ日刊イトイ新聞」に掲載されている糸井重里さんと日本画家の山口晃さんとの対談です。

技術とは、なぜ、磨かれなければならないのか。

読んでいただいて、まずよく理解をしていただきたいのは、技術をみにつけること「が」大切だということではなく、自身の技術は、おそらく途方もなく貧弱であるという自覚とともに、学び(ラーニング)と修練(トレーニング)をほぼゼロからでも開始し、果てしない階段を一段ずつ上がっていくように、一つ一つの経験を蓄え、備えていくことの実感をもつことと、両氏の語り合う「技術の習得」という話題との乖離を自分の思考で埋め合わせていくことです。

こうした意識の持ち方は、今後の大切な「糧」になると思いますので、どうぞじっくり、何度も読み返して、承知していただければと思います。

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自遊工房(仮称)開所式が開催されました

宮城大学大和(たいわ)キャンパス、交流棟サークル室に近接する旧材料実験室前の中庭を屋根付きの作業空間にする工事が2014年9月末に完了しました。
2014年度後期より「自遊工房(仮称)」として、学生、教員の創作活動の場として活用していきます。

運用開始にあたり10月10日に開所式が開催されました。

「自遊工房(仮称)」開所式
日時:2014年10月10日(金)12:30〜13:00
場所:「自遊工房(仮称)」宮城大学大和キャンパス、旧材料実験室前中庭

開所式には宮城大学理事、学内外の関係者が集まり、学生による工房で行われる制作作業のデモンストレーションが行われ、テープカットのセレモニーも開催しました。

設計監修 中田千彦 土岐謙次
施工   鈴木工務店
工事担当 ヒジリ建設

宮城大学の学生、教員の創作活動の拠点として、積極的に活用できるようにしていきたいと思います。

テープカット(左より大和田理事、高山理事、現場工事をしてくださったヒジリ建設の庄子佳奈社長、笹井副学長)

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新規開講科目:造形デザイン演習Ⅱの紹介

 

 

宮城大学デザイン情報学科の新規開講演習「造形デザイン演習Ⅱ」では2年生を対象に、マテリアリティーのしっかりした素材を使ってデジタルファブリケーションを体験します。素材は革、MDF、樹脂、塩ビ板、チョコレート、ホワイトメタルなどなど。バキュームフォーミングやシリコンゴムを使った型取り造形も体験します。ソフトウェア操作から機材のハンドリング、手作業によるフィニッシュまでの全ての工程をひと繋がりの技術として身につけてもらいます。また、オープンデザインを通してマス・カスタマイゼーションなモノ作りの在り方にも想いをめぐらせてもらいます。初日はまずは手始めに革の断裁から、そしてレーザー加工に群がり盛り上がる2年生たち。次週はクルスカさんをお迎えしての特別ワークショップ、中盤はFLATスタッフによる特別授業など、盛りだくさんの内容です。

担当:土岐謙次

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カッティングプロッターを使ったランプシェード制作

今年の3年生デザイン情報演習B「作る技術」パートではカッティングプロッターを使ったランプシェード制作です。からっと気持ちのいい季節、外に出て緑豊かなキャンパスで「木漏れ日」を観察してその特徴をいかしたデザイン、というのがテーマ。材料はケント紙と厚手のトレーシングペーパーのみ。本日はまずはカッティングプロッターを使ってみよう、ということで各自データを試し切り。あちこちで「をを〜!」という歓声が。「こんなの手で作れない!すごい」というのが共通の感想。でも、もの作りはとにかく「手」を動かさないとなにもできないので、ひたすら切ったものをあれこれ実際に組み合わせてみて、いかにして「木漏れ日」が表現できるか、みなさん試行錯誤の3時間でした。

この課題ではデジタルデザイン手法による精密性と、紙の特性や手業による造形の冗長性を組み合わせて、さらに光と影を意識しながらデザインを行うというのが大きなテーマです。技術としてはデジタルファブリケーションの基本と言えます。先週、慶應大学SFCの田中浩也先生の特別講義の影響もあってか、いつにも増して「つくる」モードの高い1日でした。

 

 

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漆造形の回転扉オブジェ「Chandelier」

この漆のオブジェは宮城大学の様々な活動を紹介する展覧会「PRACTICE 2011-12」開催に合わせて設置されました。パーツの一つ一つが人が手足を広げたようなかたちに見えます。それぞれが手に手を取り合って一つのかたちをつくる、多様な知性と能力を一つにして様々なことを実現させてゆく本学の活動の逞しさ、美しさを表現しています。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

この作品は近年、建築のデザインにおいて取り入れられつつあるプロセスモデリングでデザインされました。プロセスモデリングとはひとつの「かたち」そのものを直接作るのではなく、かたちを生み出す「仕組み」を作っておいてその仕組みを操作することで様々なかたちを生み出して、それらを評価してさらに仕組みの操作に反映させて、かたちを生み出すデザイン手法です。三次元CADをベースに行われるプロセスモデリングは形状の情報だけではなく、構造の情報、部品の精度や位置情報、組み合わせ方やネジ穴の位置といった加工情報などの多次元的なデータをひとまとまりに同時に扱うデザイン手法として、従来の二次元的な「設計」の概念に大きな影響を与えつつあります。さらに、これまでは設計のプロセスが個人の経験や勘として蓄積されていたものが、デジタル環境のもとで共有されることによって、デザインという知性が「貨幣化」され流通が可能になることも大きな意義です。すでに、特定の形態生成を行う部分的な小さなプログラムファイルを共有する動きがネットを介して起こりつつあります。

 

 

 

 

 

 

 

この手法を漆造形に応用して制作したのがこの作品です。漆塗りというアナログな手仕事とプロセスモデリングによるデザイン手法が、これまでになかった造形を可能にしています。将来的にはさらに大きな造形を作る場合に最適な材料や厚みを設計段階で検討し、材料や構造の専門家とデータを共有し十分な構造を考慮したデザインを可能にするでしょう。

各パーツはそれぞれ個別のデータとして管理されレーザーカッターによって1mm厚の塩ビ板から切り出されます。各パーツは一つとして同じ形状のものは無く、さらに厳密に位置が決まることで全体の造形を生み出しています。造形は上部にベアリング支持された軸を内蔵したサブフレームによって天井に取り付けられているので、回転扉の回転モーメントによって自在に回転します。回転扉が動き出す際には止まっており、徐々に扉の回転に追いつき、扉が止まったあとは自身のモーメントによってほんの少し回転します。

【動画→】watch?v=_wapsww2VBI&list=UUl5LwTUCyDvkW2qnxggdSFA&index=1&feature=plcp

デジタルファブリケーションの実践例として、また、プロセスモデリングによる造形の美しさ、漆の質感の豊かさ、エントランスとしての華やかさを楽しんで下さい。

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デザイン情報演習A2011:音を創る

10月27日は音のインタラクション演習の最終日!
いよいよ音源まで完全に自前で創る方法について学びます。
音色の違いはどのような音響的特徴に起因するか、
それらを創り出すためのいくつかの原理、などを整理しながら
減算合成方式のシンセサイザーパッチを制作します。
エフェクタやマイク入力をトリガー(スイッチ)として利用する方法についても学びます。
11月7日締め切りの「音のインタラクション課題」に向けて
今回で道具が出そろうことになります。どんな作品ができてくるか、楽しみ!!

今日の資料とサンプルパッチはこちらからDLしてください。
(ダウンロードは学内からのみ可能です)

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デザイン情報演習A2011:Arrayを使いこなす!

10月20日は、Puredataを使った音のインタラクション演習の2日目。
シーケンサー、サンプラー、トーンジェネレータの3つを例題として、
「Array(配列)を使いこなす!」をテーマにすすめます。

これらの例題がArrayとどのようにつながってくるのか、
そのあたりが聞きどころです。乞うご期待!

演習の資料と例題サンプルパッチはこちらからDLしてください。
(ダウンロードは学内からのみ可能です)

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デザイン情報演習A2011:PdとMIDI入門

いよいよデータフロープログラミング環境である
Pure dataを使った実習をはじめます。

初日である10月13日の回は『PdとMIDI入門』ということで、
Pdとはどんなプログラミング環境なのか、ということや、
Pdプログラミングの基本的な文法や作法について学びます。

でもまあ、一般的な文法の話はほどほどにして
すぐに実際に音を扱うサンプルパッチ(プログラム)をうごかしながら
それらに解説をくわえたり、自分でカスタマイズしてみたりすることで
楽しく具体的にPdを使った音の制作について学んで行きましょう。

10月13日の音の部分の内容としては
まずメッセージとシグナルの違いを明らかにした上で
音楽制作のための代表的なメッセージ処理のプロトコルである
MIDI(Musical Instrument Digital Interface)をPdで扱う方法からはじめます。

10月13日の資料とサンプルパッチは
こちらから入手してください。
zipファイルがDLされますので解答して使ってください。
(ダウンロードは学内からのみ可能)

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文化庁メディア芸術祭京都展 《共創のかたち〜デジタルファブリケーション時代の創造力》

2011年10月1日(土)−11月13日(日)の期間、京都市立芸術大学文化庁にてメディア芸術祭京都展《パラレルワールド》関連企画《共創のかたち〜デジタルファブリケーション時代の創造力》が開催されます。デザイン情報学科の土岐がアーティストとして参加します。
詳細は下記を参照下さい。

文化庁メディア芸術祭京都展《パラレルワールド》関連企画 《共創のかたち〜デジタルファブリケーション時代の創造力》
« 京都市立芸術大学ギャラリー @KCUA

コンピュータやインターネットによるメディア技術が普及する現在、制作ツールの汎用化、コンピュータ支援制作技術 (CAM, Computer Aided Manufacture)などの生産技術がユーザーの創作意欲を刺激し、ものづくりのプロセスを開くと同時に新たな市場を開拓しつつある。オープンソース 化を背景とした設計情報の公開は、ネットワークコミュニティの中で従来にない製品を生み出し、「ラピッドプロトタイピング」により、消費者は自ら試行錯誤 して創造する喜びを得る。いわば、20世紀に確立した生産と消費をめぐる環境が、技術革新によって大きく変わろうとしているのだ。

振り返れば、消費者による創造は、DIYムーブメントにみるように大量消費社会に対するカウンターとして発生したものであり、市場経済に取り込まれ ないコミュニティの互助的関係に基づくものであった。その中でデザイナーやアーティストは、独創的な創作を通じて次代のものづくりを促進する一方、ユー ザーとの協同による新たな創造領域を開拓していた。こうした精神は近年のメディア技術と結びつくことで、個人と社会の関係を再定義する可能性を持ち始めて いる。

このような環境において、デザイナー、アーティストには、ツールや技術の可能性を批評的に検証する役割と、それらの可能性を多くの人々に伝え、創造力を底上げするインキュベーターとしての役割が求められている。

さらに、工学の立場からの研究は、従来のものづくり、デザイン、そしてアートにも大きな影響を与えつつあるものである。モダニズムという様式の下に 大量生産される製品の美と機能性の関係性によって語られてきた「デザイン」は、もはや全てのユーザーが創造に携わることのできる、ネットワークと生産シス テムを総合するプラットフォームへとその意味を変えつつある。「アート」を支える素材やプロセス、コミュニケーションの意味も、こうした環境の変化に応じ て再定義される必要があるのではないだろうか。

本展覧会では、インターネットを介したオンラインカスタマイズサービス、ラピッドプロトタイピング(3Dプリンタやレーザーカッターなどの試作用工 作機械による制作)を応用した作品、デザイン製品の展示、著作権をめぐる研究事例、オープンソース・デザインの事例などを紹介する。同時に、展覧会そのも のを「共創」のためのプラットフォームと位置づけ、工学、デザイン、アートから「共創」の可能性を問う。

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PdでMIDI(その1:Pdでドラムを演奏する)

  • 投稿者: 茅原 拓朗
  • 2011年2月18日 19:02
  • MIDI | Pure data

PdでMIDI(その1:Pdでドラムセットを演奏する), originally uploaded by design informatics, myu.

オープンソースのデータフロープログラミング環境であるPure Data(Pd)を使ってMIDI信号を送受信するための方法を解説します。

MIDIについて少々:MIDI(Musical Instruments Digital Interface)とはコンピュータや電子楽器などの間で主に演奏情報をやりとりするための通信上の取り決め(プロトコル、と言います)のことです。狭い意味での演奏にとどまらずたとえば通信カラオケなど非常に広い範囲で使われています。

チャンネル・ノートナンバー・ベロシティ:PdはこのMIDIプロトコルの送受信が簡単にできるのですが、ここではとりあえず手始めにPdからパソコンに内蔵されているドラム音源をならしてみます。そのための準備としてMIDIについて3つだけ理解しておいてください。
まずは「チャンネル」です。チャンネルはMIDI信号を送受信する際の「宛先」のようなものです。送信側と受信側のチャンネル番号をあわせることで信号のやりとりができるようになります。チャンネルは基本的に16まで使えます。音楽的な観点でいうとチャンネルは「パート」や「トラック」の区別に相当するものだと考えてよいでしょう。ここではチャンネル「10」を使います。10番は特別なチャンネルで、このチャンネルを使ってならす音源としてデフォルトでドラムセットが割り当てられています(他のチャンネルはデフォルトではすべてピアノになっていると思います)。
もう一つは「ノートナンバー」で、これは音の高さ(音程)のことです。ただし、ドレミファソ・・ではなく、ピアノの鍵盤の低い方から順番に割り当てられた番号(21〜108)で音程を識別します。たとえば中央のドレミファソラシドは「60 62 64 65 67 69 71 72」となります(黒鍵の部分が一つ飛びになることに注意!)。ドラムセットをならす場合もノートナンバーを使いますが、その場合は音程ではなく打楽器の種類が識別されます。通常「36」がバスドラム(ドン)、「38」がスネアドラム(タン)、「42」がハイハット(チッ)に割り当てられているので、これらをならしてみましょう。
3番目が「ベロシティ」で、これは音の大きさ、つまりノートナンバーで指定した音程(あるいは打楽器)をどのくらいの音量で鳴らすかを指定します。0〜127の値で指定し、127が最大音量です。

準備:Pdを立ち上げて「Media」メニューから「MIDI settings…」を選択してダイアログを開いてください。このダイアログの「output device 1」の右側のポップアップメニューをクリックすると「Microsoft GS Wavetable Synth」(多少名称が異なるかもしれません)という選択しが見えると思うので、これを選択して「OK」してください。「Microsoft GS Wavetable Synth」というのはwindowsに内蔵されているソフトウェア音源のことで、この設定でPdと音源が接続されPdから送りだしたMIDI信号がwindowsの内蔵音源に届くようになります(Macの人はMIDI settingsから内蔵音源が直接見えないので別途解説します)。

Pdパッチの制作:上図の通りパッチをくんでください。[noteout]は音をならすためのMIDI信号を送信するためのオブジェクトで、アーギュメントがMIDIチャンネル番号となります。ここではドラムを鳴らしたいので「10」です(第3インレットからの入力で指定することもできます)。この[noteout]の第1インレットにノートナンバーをメッセージとして渡してやると、そのノートナンバーに相当する音程(ここでは打楽器)の音がなります。ここではバスドラム、スネアドラム、ハイハットをならすための各ノートナンバーメッセージが、[key]と[select]オブジェクトを使って検知されるパソコンのキー入力をトリガーとして[noteout]に送られるようにしました。「b(キー番号=98)」がバスドラム、「s(同115)」がスネアドラム、「h(同104)」がハイハットです。[key]のアウトレットに接続したナンバーボックスでキー番号を調べることができるので、好きなキーにカスタマイズしてください。また、どのキーが押されたときもベロシティ「100」が[noteout]の第2インレットに入力されるようになっています。パソコンのキーを使った簡単なドラムパッドで遊んでみてください。

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