ホーム > Digital Fablication | 教員活動 > 漆造形の回転扉オブジェ「Chandelier」

漆造形の回転扉オブジェ「Chandelier」

この漆のオブジェは宮城大学の様々な活動を紹介する展覧会「PRACTICE 2011-12」開催に合わせて設置されました。パーツの一つ一つが人が手足を広げたようなかたちに見えます。それぞれが手に手を取り合って一つのかたちをつくる、多様な知性と能力を一つにして様々なことを実現させてゆく本学の活動の逞しさ、美しさを表現しています。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

この作品は近年、建築のデザインにおいて取り入れられつつあるプロセスモデリングでデザインされました。プロセスモデリングとはひとつの「かたち」そのものを直接作るのではなく、かたちを生み出す「仕組み」を作っておいてその仕組みを操作することで様々なかたちを生み出して、それらを評価してさらに仕組みの操作に反映させて、かたちを生み出すデザイン手法です。三次元CADをベースに行われるプロセスモデリングは形状の情報だけではなく、構造の情報、部品の精度や位置情報、組み合わせ方やネジ穴の位置といった加工情報などの多次元的なデータをひとまとまりに同時に扱うデザイン手法として、従来の二次元的な「設計」の概念に大きな影響を与えつつあります。さらに、これまでは設計のプロセスが個人の経験や勘として蓄積されていたものが、デジタル環境のもとで共有されることによって、デザインという知性が「貨幣化」され流通が可能になることも大きな意義です。すでに、特定の形態生成を行う部分的な小さなプログラムファイルを共有する動きがネットを介して起こりつつあります。

 

 

 

 

 

 

 

この手法を漆造形に応用して制作したのがこの作品です。漆塗りというアナログな手仕事とプロセスモデリングによるデザイン手法が、これまでになかった造形を可能にしています。将来的にはさらに大きな造形を作る場合に最適な材料や厚みを設計段階で検討し、材料や構造の専門家とデータを共有し十分な構造を考慮したデザインを可能にするでしょう。

各パーツはそれぞれ個別のデータとして管理されレーザーカッターによって1mm厚の塩ビ板から切り出されます。各パーツは一つとして同じ形状のものは無く、さらに厳密に位置が決まることで全体の造形を生み出しています。造形は上部にベアリング支持された軸を内蔵したサブフレームによって天井に取り付けられているので、回転扉の回転モーメントによって自在に回転します。回転扉が動き出す際には止まっており、徐々に扉の回転に追いつき、扉が止まったあとは自身のモーメントによってほんの少し回転します。

【動画→】watch?v=_wapsww2VBI&list=UUl5LwTUCyDvkW2qnxggdSFA&index=1&feature=plcp

デジタルファブリケーションの実践例として、また、プロセスモデリングによる造形の美しさ、漆の質感の豊かさ、エントランスとしての華やかさを楽しんで下さい。

ホーム > Digital Fablication | 教員活動 > 漆造形の回転扉オブジェ「Chandelier」

アーカイブ
メタ情報

ページの上部に戻る