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【プログラムレポート01】

  • 投稿者: 中田 千彦
  • 2017年6月14日 08:28
  • C-IAM

【プログラムレポート01】
LC#01 「デザイン情報特別講義Ⅰ・Ⅲ」共同講座
講師:芦沢啓治(石巻工房代表)
日時:2017年5月12日(金)12時50分〜14時20分
場所:宮城大学 大和キャンパス グループ演習室

 芦沢啓治氏は建築家であり石巻工房の代表を務める人物である。まず芦沢氏は、講義のテーマ“Design -Question or Solution-”について、デザインがSolutionではないと結論づけた。Solutionは、ひとつの問題に対してひとつの解決方法という1対1の関係になる問題解決を意味するからだ。ひとつひとつのSolutionを積み上げた部屋が良い部屋かと問えば、どうだろう。たとえばオーケストラは、すべての楽器が思い思いに演奏するわけではなく、常にお互いが調律を合わせきれいに演奏している。空間デザインはそれと同じだと芦沢氏は言う。そして芦沢氏が好きなFRISBYという照明を例に説明された。その照明は、フリスビーのような板を照明の下に吊るし、直接的な光が当たるのを避けることでまぶしくなく、料理をきれいに照らすと同時に、板に反射した光で天井まで光を与えることができるものだった。つまりそれが、芦沢氏の言う調律のとれたデザインである。その他、ひとつひとつの例を見て、ただ一つ一つの問題を解決していくことがデザインではないということを実感した。また、芦沢氏はデザインについて勉強する際には、デザイナーの名前を覚えることも大切だと語った。
そして次に石巻工房の説明をされた。震災後、石巻工房で家具を作り始めた時、作る環境が整っておらず床の上で作らなければいけないこと、限られた材料しかないこと、などいろいろ不自由なことがあった。しかし芦沢氏はそれをできない理由にしなかった。上手な料理人が冷蔵庫に入っている物からおいしい料理を作ってしまうのと同じで、彼もまたいくつもの条件の中で作品を作ったのであった。また、上手な料理人が実際に素材自身の味を確かめるのと同じ様に、彼も木という材料と戯れながら作品にしていったと言う。そして、材料が持っている能力を知るため、デザインする時には材料に触れることが大事だと、彼の経験から語っていた。芦沢氏は、震災後の混乱した状況の中、まずは小さなことでもいいから取り組んでみようという思いから始めたことにより、今の大きなプロジェクトになったと言う。石巻工房の、シンプルで誰にでも作れるように設計したという、震災を乗り越えてこその素晴らしいデザインが、世界中で注目されているということが分かった。

事業構想学部デザイン情報学科4年
河合春来

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